「あの図書館の彼女たち」読書日記です。
こんにちは、うみです。
最近読んだ本、とても良かったので今日は完全読書レビュー。
「あの図書館の彼女たち」 ジャネット・スケスリン・チャールズ
第2次世界大戦の時代のフランス。パリのアメリカ図書館で司書として働く20歳のオディールと、
1980年代のアメリカ、モンタナ州。12歳の少女リリーの「気になる隣人」として描かれる老婦人オディール。
ふたつの時代が交互に綴られます。
本に憧れ図書館に憧れて司書になったオディールでしたが、やがてフランスにもナチス・ドイツが侵攻し物資が不足、ユダヤ人迫害はじめ外国人への締めつけなど、厳しい時代が訪れます。
そんな中、アメリカ図書館の館長はじめ司書たちは図書館を守るために奮闘し、ユダヤ人の利用者にも何とか本を届けたいと危険を冒します。
家族のことや友人、恋人とのロマンス、若いオディールが年相応にいきいきと描かれて彼女を応援したくなります。
一方、1980年代の少女リリーは思春期真っ只中、少女なりの悩みと欲求不満を抱えながら、気になっていた一人暮らしの隣人オディールにかかわりフランス語を教えてもらうようになります。
オディールとのふれあいを重ねて困難を乗り越え成長していきますが、
不可解なのは、なぜ、オディールはアメリカで一人で暮らしているのか、ということ……
第2次世界大戦が、ナチス・ドイツが関わる時代の物語、オディールが戦後に下した決断には胸が痛みましたが、
ラストはいくらかホッとします。
ちなみに、オディールは架空の人物ですが、アメリカ図書館の活動についてはほぼ史実だそうです。
入館を許されなくなったユダヤ人利用者たちに危険を冒して本を届け、
あとがきによると、
もしかしたら、かくまうことも、したかもしれないそうです。
本が好き、図書館が好きな方には一度手にとっていただきたい本です。おすすめ!
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